第一章 人生の終わり〜1.お迎えの仕事〜

天国からの手紙, 第一章 人生の終わり

 

◀︎プロローグ

 私の名前はレイ。肉体を離れた魂を天国へと案内する仕事をしている。死神だという人もいるけれど、あれは死を恐れる人たちが見る幻影であり、実際のところは、全て神の使いであるから、愛らしい存在である。あえていうなら、天使に近い。ちなみに私はいつも白いワンピースを着て仕事をしてる。

 よく、地獄に連れていくこともあるのかって聞かれるけれど、地獄もまた死を恐れる人たちが作り出した幻影であり、地獄なんていうものは存在しない。神は愛であり、愛は咎めることをしないからだ。罪を作り罰しているのは、神ではなく、いつだって自分自身だ。神は誰のことも咎めないのだから、罰も与えるはずがない。だから、実際のところ天国しか存在しない。ただ、自分で自分のことを罪深く罰を受けなければならないと信じている人も多いので、そう信じる人は、天国までの道のりを苦しく険しく、そして遠く感じるのだろう。でも実際は、天国はいつだって門を開いて目の前にあり、遠いも近いもない。ただ、そこに入るか入らないかの選択の問題である。私の仕事は、天国へと入っていく選択を助けること。それがお迎えの仕事だ。

 私たちの仕事はまず、寿命が近づいた人にコンタクトを取ることから始まる。このまま死にゆく運命の地図を選ぶのか、それとも、違う結末の運命の地図を選ぶのかを選択してもらうためだ。寝ている時、人は意識が時間と空間から自由になる。そのチャンスを狙ってコンタクトを取るのだ。本人は、目が覚めると忘れているし、覚えていたとしても夢だと思って気にしない。

 ガイドを担当するのは、命の約束で決められた人。私と何かしら繋がりがあるのだけれど、私たちも詳しいことはわからない。ただ、ガイドの仕事が入ると自動的にその人の夢の中へと引っ張られていくのだ。今回私が引っ張られて入ったのは、60歳を過ぎたばかりの女性の夢の中だった。まだまだ生きる気満々の何の病気もない健康な女性だったが、運命の地図は62歳で突然死することになっていた。

 あ、運命の地図というのは、生まれてくる前に誰もが持って生まれる地図なのだけど、みんなたった一枚の地図しか作ってこなかったと勘違いしている。実際には、無数に作ってきていて人はどの運命の地図を生きるか選択することができるのだ。運命の地図は選択されたがっているので、ことあるごとにその地図の未来のビジョンを持ち主に送る。魅力的なときめくビジョンだ。だけど、多くの人は「そんなの夢物語だ」と言って無視する。それでも、運命の地図はめげずにビジョンを送り続けるのだ。だって、持ち主には思いっきり幸せになってもらいたいから。誰かの布いたレールの上を走り続けたり、誰かの心ない評価によって自分の才能を見限ったり、誰かに遠慮して自分を押し殺していたり、失敗を恐れて安全だと信じるひどい環境に自分を閉じ込めたりしている姿を地図たちも黙って見てはいられないのだ。だから、生まれる前に決めてきた無限の可能性を思い出して欲しくて、運命の地図はビジョンを送り続ける。だけど、ほとんどの人は、最後の日までそのビジョンを無視し続け眠ったままで目を覚まそうとしない。たくさん我慢して、たくさん苦労して、たくさん自分を責めて、わざわざ問題を作り出し、敵ばかりで周りを固めて孤立し、無限の力を封印して、ちっぽけな価値のない自分を演じ続けるのだ。運命の地図に逆らって苦しいドラマを演じ続けている。そして、最後の日が来た時に後悔する。いつもお迎えに行くとそうだった。

今回の人はどうだろう? 突然去ることになるこの人生を選ぶのか、それとも違う結末を選ぶのか・・・。人生の終わり方についての選択は特別なので、その人がどんな人生を生きてきたかによって何を選ぶか違ってくる。この人はどんな選択をするのか・・・。私はドキドキしながら、夢の中奥深くへと入っていった。

 

▶︎第一章 人生の終わり 〜2.夢の中で〜

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